競馬用語の「芝で走る柔らかさ」は定量化できないため原則無視してます。
しかしながら「ある」としか言えない。
560kg級のダートモンスターであるにも関わらず柔らかく巨大なストライドでアメリカダートの覇者となったフライトラインの走りが非常に印象的でこれから想像した事になりますが━━━
ラクに出せるストライド長が長い→大コースでのスタミナ消費少ない→クラシック戦線で強い→年を取って身体が硬くなるとピッチ走行気味になって消耗が大きくなってしまう。セン馬はこれが抑止できる。
といった因果関係があるのかもしれません。もろにダート血統でも2歳や3歳前半のような若駒のころは芝でよく走るものが比較的多いですよね。
アメリカだと芝よりダートの方が大コース(単に外に設置してある)で、この血統が日本の芝で走る━━等ありそうです。
ストライド長が計測されているものでは
フライトライン>セクレタリアト>単純に体格の壁>ディープインパクト(日本では長ストライドで有名)>オルフェーヴルとされています。
以上の全てはピッチ走法の馬が芝でも速いという状況で完全に崩壊します。やはり柔らかさ無視し続けようか‥‥悩みは尽きません。
ドゥラメンテもハーツクライも「硬くなりやすい」血統?牡馬用血統と牝馬用血統
ドゥラメンテ産駒牡馬の芝重賞勝ち馬の数はイメージよりもずっと少なく、ダートのほうが明確に優勢です。
キズナ牡馬の古馬戦で芝のオープン・リステッド・重賞で好走できるのはスプリントに分類されるレースが中心である点も気になります。(一般論的にスプリント=ハイペースのサバイバル戦≒ダートで適性は近似します)
同様に、ハーツクライにアメリカ型繁殖牝馬を配合してうまくいく確率が高いのは、生まれたのが牝馬の場合かもしれません。この配合が目立つのはディープインパクト用のアメリカダート繁殖牝馬に代わりにハーツクライ配合した現2歳 2021年産のみに留まりますが‥‥。
ブライアンズタイムを持つ配合が現在ではダート中心ととらえられるように、ハーツクライ≒トニービンもそのような位置づけになっていくのかもしれないと考えることがあります。
ドウデュースはまさにこのようなハーツクライxアメリカ配合ながら芝の頂点・日本ダービーで優勝してます。しかしながら古馬になっての天皇賞・秋では身体が完全にマイラーになったと思えるほどにムキムキで、これも気になっています。*1
以上のように、牡馬と牝馬で極端に傾向が異なるリーディング上位種牡馬が多い現状、血統論は牡馬用と牝馬用で別に体系化する必要があるのではないかと考えています。*2
競馬用語の「柔らかさ」は一切定量化されないため納得いかないが、あるとしかいえない。そしてアメリカダート配合するとかなり硬くなるが、牝馬なら元が柔らかいので大丈夫。
芝で走るからダートで走らない、ダートで走るから芝で走らない相反する何かがあるように思えます。
この辺りの感覚が現状認識です。
クラシック戦線で勝つのは「牡馬っぽい牝馬と牝馬っぽい牡馬」
これも何故なのか理屈だって説明できませんが、こうなっているとしか言いようがない状態です。
デカくて硬い牝馬と、柔らかい牡馬が強い。
高額配合の相手といえばアメリカダート勝ち牝馬だが‥‥
ディープインパクト用のアメリカダート繁殖牝馬は現状こんな感じで素軽さがすぐになくなってしまう印象を持っています。
・ドゥラメンテ→ダート化
・キズナ→牡馬はただでさえダートなのがさらにダート化
・ロードカナロア→元々の距離が短すぎ
・キタサンブラック→ダート化
・スワーヴリチャード→???(アンブライドルズソング持ちでこれもダートっぽくなりそうな気がするが、どうか)
・コントレイル→???(スワーヴリチャードのハーツクライをディープインパクトに変えた版かつ、母ロードクロサイトの血統が隙間なしの完全アメリカダートと考えるとどうか)
・フィエールマン→???(珍しい完全欧州型ディープインパクトなので非常に期待も、社台スタリオンステーションに入れず配合優先順位低いため下剋上は困難)
・アスクビクターモア→完全欧州型ディープインパクトで高速タイム対応のこれが死んだのは本当に痛恨
ちょっとクセがあるものでは
・エピファネイア→不思議な配合で何が出るのかなんとも傾向が掴み難い。スプリントとダートが苦手なことだけは明確。
・モーリス→意外なほど芝優位の種牡馬。*3これはノーザンファームが持つアメリカダート牝馬資産を活かすのに最適かもしれません。
・ブリックスアンドモルタル→アメリカの芝馬といえ配合的にはほとんどダートで、なぜこんなに日本の芝で走るのか不思議~~~ サンデーサイレンスがアメリカダートホースなのと同様?
相馬眼は均等ではない
これはPOGをやっていて何となく気づいたことなのですが、人の持つ「相馬眼」には個性があり、単にレースで勝つものを見出す確率が高いか低いか以上に大きな違いがあります。
クラシック路線が得意な人(これが一番幸運な適性)・長い間活躍する丈夫なものが得意な人・牝馬が得意な人・ダートが得意な人などなど‥‥様々なタイプが存在します。
自分が完全に自分のセンスで選ぶと、ダートばかりになります。ムキムキマッチョの馬が好きで柔軟性は考慮せず、素軽さには欠ける。個人的にこれを「シンボリクリスエス好き過ぎ問題」と表現しています。
この方式に基づいて今年はイーグルノワールを選抜しており、2歳11月上旬段階で既に2勝・G1全日本2歳優駿を目標としてJpn2 兵庫ジュニアグランプリをステップとして使うか検討中という素晴らしい能力を発揮しています。しかしダート路線ではJRAでの賞金獲得からは遠い。
有料部分は投げ銭機能で、お礼が一言書かれているのみです。
*1:2023年の天皇賞・秋の次走はジャパンカップよりマイルチャンピオンシップを選んだほうが単に勝率だけなら優位に思えます。ただしこれはイクイノックスに対して降伏するに等しいため全く非現実的。
*2:リーディング上位でなくとも傾向に極端な差がある種牡馬といえばミッキーアイル。牡馬はダート、牝馬は芝しか走らない。
*3:回収率統計を見ると「意外」と捉えるべき数字になっています。