競馬日記 桃源郷 UMA パラダイス

1990年代ダビスタブームを過ごし、2021年のウマ娘ブームで競馬熱が開花した人の日記です。自らの所感と知識をまとめるためにロング版twitter感覚で逐次投稿します。内容は全て執筆当時の認識であり後年の観点からは誤認もあるかと思います。(発見した場合、修正でなく追記を行います)

いまいち納得できない夏の小倉の2歳馬番組表とローテーション

 今年のフェニックス賞は率直に言って面子があまりにも揃っていない。中央1勝でもあげている馬がシカゴスティングの1頭しかいないOP競走って、そんなのやっていいんですか?2歳OPなので勝っても2勝クラス入りするだけのことではあるんですが‥‥もう普通の2歳未勝利感覚で挑戦するだけお得なレースになってしまっています。

 1200mの新馬戦それも関西ブロックで行われるレース自体が少ないので、勝ち馬の数が足りるはずがないんですよね。

 小倉ならではの九州産馬限定OPひまわり賞も小倉開幕週デビューで中1週、そこから外れると連闘ローテになってしまいます。
 夏の小倉の2歳馬はまともなローテの組みようがないです。小倉2歳Sは9月入るのでこれだけマシかなという状態。

もっと活用して欲しい小倉コース

 不人気で真夏と真冬しか開催されないのは仕方ないとしても、根本的に開催期間が短すぎます。*1

 立地都合でほぼ関西馬しか来ないのが大きなネックだけれども、1200mとしては極端なトラックバイアスになりづらいコースレイアウト的にはスプリントOP・G3できればG2の定番競馬場になって欲しいなあというのが私的な要望です。あと20年は無理そうですが。
 先行有利は当然としても、内の馬場が死んでいても外差しで意外と何とかなるのがちょっと楽しいコースなのです。幅員広い上にスパイラルカーブで立ち上がり勝負がやりやすく、内外ばらけて好きな進路で各々のパフォーマンスを発揮しやすい印象を持っています。

あまりにも短すぎる夏の小倉、実際どうなった?(2023年09月04日追記)

  • 番組表から予想された通り、九州産馬限定オープンひまわり賞参戦馬の多数が新馬戦・未勝利戦・本レースと真夏に三連闘を戦う事になった。
  • フェニックス賞に1勝馬が1頭しか出走せず、単勝1.1倍に。ほとんど馬也かゴール前強めくらいで勝ってしまった。これで1勝特別戦でなくオープン特別戦の賞金が入って朝日杯でもホープフルステークスでも、3歳冬G3でも除外の心配がほとんどなくなるのは、ローテの穴過ぎてちょっとどうかと思います。(優勝:シカゴスティング)
  • 最終週はローカル1200mなのに外差しが決まる楽しい馬場になった。(コース替わりしないでAコースのままでしたね‥‥)

そもそも1勝馬の弾数が少なすぎるオープン特別競走フェニックス賞、廃止へ?(2024年4月20日追記)

 2024年夏季競馬番組表において、小倉のフェニックス賞がなくなっている事が判明しました。夏の小倉は新馬戦にもまだ出られていないものが大半の時期で、その中で1勝でもあげられているものはさらに少数、ダメ押しとして小倉まで移動できるのは事実上関西馬のみでですから、2023年のように1勝馬シカゴスティングが回ってくるだけで勝ってしまうようなレースが今後も頻発すると予期したのではと推測しています。

*1:小倉は夏暑くて冬寒い街だが、ここでは一旦度外視。

菊花賞2022優勝馬アスクビクターモア熱中症により死す(当日緊急更新)

news.netkeiba.com

 アスクビクターモアが外厩熱中症死してしまった。
 放牧先は恐らく宮城県山元トレセンと考えられている。
 阪神3000m 3歳にしてナリタトップロード超えのスーパーレコード菊花賞制覇 忘れないよ。

 それにしても、とてつもない気温の時代になってしまった。

 本馬の成績について、競走馬一般論的には距離長めでは4歳馬が一番つらい。
 3歳から4歳になる際に斤量増えるが、1月1日になった途端に能力が伸びる訳がないので、5歳6歳で身体がさらにしっかりしてからMAXパフォーマンスを迎える。一部で最弱世代と揶揄されたコントレイル世代が一気に復調したのはまさにこのような成長曲線の賜物だろう。
 このことから、天皇賞・春 2024・2025で見たかった‥‥。

 あとはちょっとおもしろいレース選びといえば、凱旋門賞ウィークあたりにロンシャンで行われる4000m競走、現状キプリオス独壇場のカドラン賞(G1)これに殴り込みをかけてほしかった。長距離GIはJRAだと天皇賞・春しかないから、秋は何に出るかというアイデア

 引退後は欧州型ディープインパクトとしてフィエールマンと種牡馬成績で覇を競ってほしかった。

 全ては夢。詮無い話。

クラシック戦線、勝つならいつデビューが良い?2022年世代(ドウデュース世代)の場合

 Discordに書いた文章の再録です。数字は日本ダービーでの馬番。

 私の感想としては‥‥

  • 北海道シリーズは牡馬POGで軽視しても良い。別の年にエフフォーリア出ているが‥‥
  • 新潟デビューは評価がインフレしやすい?マイラー向き?ここにはイクイノックスしかいない。
  • 関東馬は秋の東京を待て。関西馬は夏の小倉から取るのも可。
  • 1800mより短い所でデビューして掲示板に載った馬はいなかった。3歳春の2400mは長い。
  • 22世代はレコード決着だったため能力順に近い結果と考えており、上位陣は特に高く評価している。
  • 京都が工事中だったため、このデータには歪みがある。


1 アスクワイルドモア 7月11日函館1800 ←函館でクラシック戦線乗ってくるイメージはないため意外性大・関西馬
2 セイウンハーデス 10月31日阪神1400 ←1600より短い所スタートはこれだけ
3 アスクビクターモア(結果3着) 6月26日東京1800 ←早期デビューがいいよね組
4 マテンロウレオ 10月30日阪神2000
5 ピースオブエイト 7月11日小倉1800
6 プラダリア(結果5着) 翌年1月15日中京2000  ←突出して遅い時期でも青葉賞1着
7 オニャンコポン 9月11日中山2000m
8 ビーアストニッシド 10月3日中京1600
9 ジャスティンパレス 9月12日中京2000
10 マテンロウオリオン 12月12日阪神1600 ←これで1月上旬のシンザン記念に間に合ってNHKマイルカップ2着も取る驚異的ローテ
11 ジャスティンロック 9月19日中京2000
12 ダノンベルーガ(結果4着) 11月21日東京2000
13 ドウデュース(結果1着) 9月5日小倉1800 ←ここからでも朝日杯間に合う
14 デシエルト 12月19日阪神ダート1800 ←ダートでも1800mで下ろしたい
15 ジオグリフ 6月26日東京1800  ←皐月賞馬はやっぱり仕上がりが早い
16 キラーアビリティ 6月27日阪神1800  ←ホープフル馬も仕上がり早い
17 ロードレゼル 9月26日中山2000
18 イクイノックス(結果2着) 8月28日新潟1800 ←新潟デビューは選抜されすぎているのか意外と少ない


 このエントリ、スクレイピング等で自動化できるものならしてみたいです。例えば皐月賞を含めたクラシック戦線の結果一覧・獲得賞金順といった統計の表が作れるはず。複数年度を合わせる事もできるはず。


有料部分は投げ銭機能で、お礼が一言書かれているのみです。

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POG 2022-2023 最終結果と回顧

netkeiba

22809位 (59439人中)
獲得ポイント 15294pt (平均18408pt)

 総評としては、とにかくケガが多かった。未勝利馬が多いのは諦められてもケガはやりきれない。

ドゥラエレーデ

主な戦績:GI ホープフルステークス 優勝 G2 UAEダービー 2着 GI 日本ダービー 出走(スタートと同時に躓いて騎手落馬競走中止)
 これが私にとってPOG初のGIホースとなりました。バウルジャン・ムルザバエフは個人的殿堂入り騎手です。かれの腕前でなければホープフルSは勝てていません。

 デビュー前にOP馬アイコンテーラーの調教に映り込んでいた謎の超高速2歳馬として話題になった時の事が懐かしい。今この馬は謎ローテで広くファンに親しまれているのも、単に競走成績が高いのと同じくらい喜ばしいことです。

 最後の日本ダービーでスタートと同時に躓いて騎手落馬したのは残念ですが、その分消耗が小さかったためこの後は久々の宝塚記念出走3歳馬となりそうです。可能であればさらにジャパンダートダービーにも出走してほしいですね。恐ろしいほど詰まったローテーションになるのは確かですが‥‥有馬記念と東京大賞典両方に出たデルタブルースよりは余裕があります。

(その後、ジャパンダートダービーには出走せず。出たとしても勝てたとは全く思えない極限のバトルでした)

db.netkeiba.com

ラスハンメル

主な戦績:若葉ステークス(リステッド競走)2着 GI 皐月賞 16着
https://db.netkeiba.com/horse/2020103554/
 こちらは私にとってPOG初のクラシック競走出走馬となりました。シルバーステート旋風の中、ノーザンファーム産かつ大柄である事で選出した馬です。なかなか能力を出し切ってくれなくて、若葉ステークスの逃げ残りでやっとパフォーマンスを発揮してくれた感でした。賢さをサボることに使うタイプの馬なのかな?という印象です。

db.netkeiba.com

ダイヤモンドハンズ

主な戦績:G3 札幌2歳ステークス 3着
 サトノダイヤモンド産駒でナンバーワンの出来との評判で選定。札幌2歳Sで極端な外枠有利馬場の1枠1番から3着に突っ込んできた勢いは将来を期待させるものが大でしたが、その後骨折しシーズン終了。6月2週の3歳以上1勝クラス特別戦でごくごく普通に敗れて菊花賞出走も厳しそうなのがさらに残念。

ネアセリーニ

主な戦績:野路菊ステークス(オープン)5着
 ハーツクライに北米ダート重賞勝ち母というディープインパクトで行われたのと同様の定番の常勝配合です。野路菊Sの直後に骨折、療養中に再び骨折しそのままシーズン終了。レース中の伸びも異様に悪く、その段階から既にダメージがあったのだろうか。

ルモンドブリエ

主な戦績:黄菊賞(1勝クラス)3着 屈腱炎引退
 エフフォーリアを輩出したエピファネイアに母ラクレソニエールはフランスの1000ギニーとオークスを制した二冠牝馬、社台レースホース募集総額1億円とフラッグシップ級にふさわしい素晴らしい血統で選出しました。2走目の黄菊賞で不可思議なほど伸び欠いた後、重度の屈腱炎により引退。唯一のレースキャリアリタイア馬となりました。痛恨事でした。

トラミナー

主な戦績:2歳新馬戦 2着
 シャケトラの下で、牝馬ながらに金子真人HDによる落札価格は1億円超。セレクトセールに出たサトノダイヤモンド産駒ではトップレベルの出来のはずと選定しました。実レースシーンでは折り合い難でシーズン中の3レースいずれも力を出しきれずの感。

メズマライジング

主な戦績:2歳新馬戦 2着
 ディープインパクト産駒最終世代の一頭として選出。母はアメリカダートGI勝ちの常勝配合。ほぼ同レベルの牝馬同士でライトクオンタム(GIII シンザン記念優勝)との2択で天と地の結果となりました。
 新馬戦で僅差負けした後はフレグモーネで長期休養でシーズン終了。シーズン終了後の2走目は跛行競走中止のち抹消。7月中旬段階の情報では骨盤骨折により死亡。(7月13日に抹消 斃死と確定)
 これも競馬‥‥

アッシュフォード

主な戦績:3歳未勝利戦 4着
 ハーツクライの産駒で母は英愛オークス両方で3着。配合レベルとしては十分なはず。結果としては単に弱かった‥‥非力な印象否めません。

ガルヴァナイズ

主な戦績:2歳未勝利戦 2着
 日本ダービー2022優勝、友道康夫厩舎のリアルスティール産駒です。ノーザンファーム産で馬主は佐々木主浩。リアルスティールの母母モネンバシアと母父父キングマンボの全きょうだい3x3クロスはハマると面白そうだと選抜。結果としましては単に弱い‥‥。

 リアルスティール産駒全体が全く振るわなかったですね‥‥血統完成度が高すぎるためか、社台系より比較的小さな牧場の繁殖牝馬と配合された方が結果が良い傾向にあったのが興味深い点です。

ドウフォルス

主な戦績:3歳未勝利戦 3着
 ダービー馬ドウデュース同様のハーツクライ+アメリカ重賞母+友道康夫厩舎+キーファーズ(インゼル)の陣営です。
 この年で一番期待していたためショッキングと言わざるを得ない戦績です。それにしても、芝の新馬戦は能力云々以前に全然レースになってなかった印象なので、以降ずっとダートに使われているのは何故かな?と気になってます。重賞級ならどんなにハチャメチャな競馬をしても新馬戦くらいは勝つべきなのか‥‥。

JRAVANシェアポイント

11440 位
470193 P

総参加者数98627

 シェアポイントでの得点順です。

ミタマ 91人指名

主な戦績:矢車賞(1勝クラス) 優勝 G3 フェアリーステークス 12着
 父ハーツクライに母モナリザはジャイアンツコーズウェイの産駒でフランスG2オペラ賞2着・G1アイリッシュオークス3着・G1コロネーションステークス3着と十分な戦績。
 これで最近飛躍的に成績が伸びているチャンピオンヒルズ運営元のチャンピオンズファーム産なのだから活躍しないはずがありません。3歳牝馬長距離路線の部類に入る2200m特別戦の矢車賞勝ってオークス出なかったのは残念でしたが、その他は十分な戦績です。

バースクライ 161人指名

主な戦績:紅梅ステークス(リステッド競争)2着
 ゴドルフィンのハーツクライ産駒で母父はドバウィ。その物珍しさで選定してみました。
 紅梅Sは勝てなかったのが悔しいレース。優勝馬ダルエスサラームのデビッド・イーガン騎手がかなり斜行してあおりを受けていたのが気になりました。しかし、斜行がなくても勝てたとは全く思えないのも確かでした。

エイムインライフ 177人指名

主な戦績:2歳新馬戦 優勝
 母母ビリーヴはG1スプリンターズステークス優勝。父キトゥンズジョイは高勝ち上がり率で短めでのスピードも十分で桜花賞要員として選定しました。期間中にビリーヴの仔ジャンダルムがスプリンターズステークスを母仔二代制覇してくれたのは嬉しかったですね。

 阪神マイルでの新馬戦はラップ的に重賞級のものを感じましたが、2走目の1勝特別戦白菊賞では全く振るわず。以降も能力が低下するばかりの感でした。
 最後の出走は2023年2月のエルフィンステークス(リステッド)。レースへの復帰そして本来の能力発揮を心待ちにしています。

ロードアウォード 72人指名

主な戦績:3歳未勝利戦 3着
 ロードカナロアは欧州血統と相性が良い説に基づいて、母父ドバウィのこれを選択しました。レースレベルの割に賞金が高額なニュージーランドトロフィー要員と考えていたため、11月にライアン・ムーアの進言で去勢されて出走権を失ったのは残念でした。その後の勝ち上がりは期間終了後の明けて6月だったため、結果としてはNZTがどうこう以前の問題。

 ロードカナロア欧州血統と好相性説については、後ほどサドラーズウェルズの事を指していると分かりました。母シーザリオがサドラーズウェルズ産駒であるサートゥルナーリア配合を意図するのが正解で、ドバウィは何かが違います。

 ロードカナロアとの配合といえば、母父ハーツクライは打率が高いとされています。こちらはトニービンの成分が効いているのでしょうか。

サブエガ 166人指名

主な戦績:2歳未勝利戦 3着
 芝ダート兼用でマイル近辺という日本のレースシーンに適合しそうなキトゥンズジョイ産駒で比較的指名が少なかったため選択肢しました。調教も良。結果としては勝ち上がれず‥‥

 全ての結果が分かった今思うとシェアポイントで50人以上の馬を指名している段階で本命寄りといったレベルのようですが‥‥。

ナイトキャッスル 998人指名

主な戦績:萩ステークス(リステッド競走)2着 G3 ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス 5着
 ノーザンファームのシルバーステート産駒で重賞級のものを期待して指名しました。ディープインパクトに母アメリカダート馬の配合が成功するのなら、ディープインパクト産駒シルバーステートと日本ダートOPサダムグランジュテの配合はどうだろうか?という期待も込みです。

 母馬の能力を考慮してかダート1200mでデビューしたのは大変意外でした。シルバーステート産駒は全種牡馬で最もダートが苦手と考えても良い程の戦績のはずですが‥‥結果としてはそこで勝ち上がり。しかし札幌では芝の2歳OPクローバー賞で地方馬のジョリダムに敗れるなど散々なレースになる事も‥‥

 強敵と目されたグランヴィノスが出走した京都2歳Sで掲示板に載れたのは良かったですね。

 シルクホースレーシングの一番人気馬だった事は後になって知りました。確かに価格と予想される能力の比が良いです。4.8万円 400口=2400万円。現にもう2000万円近くも稼いでいます。

 POG期間中に行われたノーザンファームミックスセールで母サダムグランジュテが売却されたのもちょっと残念。(産駒がノーザンの基準では大して走ってないためでしょう)

ビップクロエ 484人指名

主な戦績:2歳未勝利戦 優勝
 繁殖牝馬のレベルを問わないシルバーステートの産駒です。ノーザンファーム産ならトレーニング内容も良いだろうとして選択しました。根本的に指名数がかなり多かったですね。

ダイヤモンドハンズ 8042人指名

 これはシェアポイントのルール理解前に選んじゃってます。競走成績に関してはnetkeibaの側に書いた通り。シェアポイントでこの人数だと、たとえダービーを勝ったとしても物足りない。

テイエムチョウテン 37人指名

主な戦績:3歳未勝利戦 7着 佐賀競馬へ移籍後 SAGAリベンジャーズ優勝 万緑賞優勝
 繁殖牝馬のレベルを問わないシルバーステートの産駒ながら、母の上ヘニーハウンドはG3ファルコンステークス優勝馬。かつ体格が良い上に調教もタイム良いため選びました。新馬戦はディープインパクト最終世代の一頭オープンファイアと対決でレースとしての注目度は高いものでした。先行一杯で敗れ以降は良いところなく中央終了。

 たとえ佐賀でも全くの未勝利では終わらなかったのはちょっとした救いです。

レモンオーラ 106人指名

主な戦績:3歳未勝利戦 14着
 父ハーツクライに母コッパはアメリカのダートG3ヴィクトリーライドステークス勝ちという通常高額な配合でこの不人気ぶりは面白いと選択しました。結果としては勝ち筋が見えない‥‥。

セレクトセール2023 2日目 当歳馬セッション リアルタイム感想

 時系列の都合上、上に追記します。気になるものをピックアップ。

 2日目は早速のコントレイル産駒登場です。ほかダノンスマッシュやインディチャンプにクリソベリルも。つい先日まで現役生活を行っていた馬の産駒がもう買えます。

 日本で当歳馬セールが盛んな理由として「長く手元に置きたい」というものがあるようですが、配合のフレッシュさも魅力です。

セレクトセール2023 当歳馬セッション私的概観

  • 単純にとにかく価格が高い。1歳馬セッションを超える印象です。
  • 1歳馬から引き続きキタサンブラックの産駒はきわめて高い需要あり。コルトサイアーと評されるこの血統は牡馬の過半数が1億円を突破しました。
  • コントレイル相場は圧巻。キタサンブラックをも超えるかという領域に。
  • 個人的に、1歳馬セッションを見た疲れが残っていてチェックの集中力はかなり不足した状態。
  • セレクトセールの相場を見ていると、凱旋門賞馬ソットサスの全弟シンエンペラーが210万ユーロだった事には割安感すらあります。この牝系はソットサスのみならず近親も活躍馬多数ですし、信頼感が違います。
    • 下のリストでNo329 バイバイベイビーの2023(母英ダービー馬全きょうだい)が3億3000万円ですから、丁度いい所でしょう。

No417 セリエンホルデの2023 エピファネイアxソルジャーホロウ

 優れた戦績に加え、カッコいい馬体・カッコいい馬名・カッコいい血統などカッコよさ三昧、私も好きな馬であるシュネルマイスターの下です。父エピファネイア。ライオンRHなどで知られる田畑利彦が3億円で落札。私的にはエピファネイアは繁殖の質を問わない系(主張型)の種牡馬という印象が強まっているため、これほどの高額はどうかな?という印象と、クラブのフラッグシップに相応しい華々しさがあり、注目馬です。

No409 リトルブックの2023牝馬 コントレイルxリブレティスト

 オッズ的には大穴もタイムは優秀のダービー馬ロジャーバローズとその血統を高く評価しているため、本馬は私的注目度高めでした。コントレイルで7000万円はこの相場の中では割安感すら。

No397 サロニカの2023牝馬 エピファネイア

 サリオス・エスコーラ・サリエラを生産したスーパー繁殖牝馬サロミナの仔サロニカの産駒です。2億6000万円。これほどの牝系となると、単にレースでの活躍のみならず、将来の繁殖でも楽しみです。その要素も大きな割合を占める価格でしょう。

No387 シーズアタイガーの2023 コントレイルxテイルオブザキャット 牝馬

 シーズアタイガーの産駒に外れはありません。が、あまりに高すぎる期待程は走ってない印象です。出世頭は現状ダノンザタイガー。しかしここでコントレイルが乗ると楽しみは絶大です。2億8000万円は現状の適正価格でしょう。牝馬ですから、シーズアタイガー系を築く楽しみも大です。

No372 シナジーウィスパーの2023 キタサンブラック

 今のキタサンブラック相場で4300万円は安すぎて逆に興味を惹かれます。配合レベルは低い部類とはいえどもの感。サンデーサイレンス3x3。エヴリウィスパーの牝系で、トーセンジョーダンやトーセンホマレボシが血統表に見えます。

No360 コンヴィクションIIの2023 コントレイルxシティバンカー

 うわー、凄い落札価格が出ましたねII(セカンド)。母はアルゼンチン芝GI勝ち馬で5億2000万円!セレクトセール史上第2位の落札価格です。
 ノースヒルズ自身がコントレイルの産駒を高額で落札するのは、自信のあらわれか、評価を高めるためか、その両面か。いずれにせよコントレイル相場凄まじいです。無敗の三冠馬それも2歳時の東スポ杯2歳ステークスでレコードタイムを叩き出している抜群の競走能力と仕上がりの早さが価格に反映されている印象です。
 福永祐一調教師が「一番いい」と評したことから選ばれ、開業祝い込みで預託予定との事。人馬ともに期待は高い。

No329 バイバイベイビーの2023 コントレイルxガリレオ

 うわー、凄い落札価格が出ましたね。3億3000万円。非社台系のグランド牧場でも、母は英ダービー馬サーペンタインの全姉で自身も重賞勝ち馬という素晴らしい血統です。ノースヒルズがこれを狙っているのは、コントレイル自体がダートっぽくなるかも感含みの血統のところ、欧州を求めた結果でしょうか。バイバイベイビーは310万ドルで導入したとの事。



No321 ドナブリーニの2023牝馬 ドレフォンxバートリーニ

 ジェンティルドンナの下になります。2億1000万円。これは香港の投資家による落札なのが珍しい。日本で走らせる予定とのこと。

No305 モアナの2023 コントレイルxキンシャサノキセキ

 コントレイル産駒が初めてセリに登場しました。ブラックタイプ競走を制した近親はいなくとも、思いっきりダートという感じでも1億7000万円。コントレイル自体が意外とダート色強いのではという印象ある配合で、ちょっとした偶然で小柄なダート馬量産してしまうのではないか?と気になっているため、このような配合どうでしょう。

No301 ファディラーの2023 キタサンブラックxモンズン

 この日最初の上場馬も軽く1億円突破。それどころか3億8000万円に到達。上3世代は現段階で中央未勝利なのにこの価格。キタサンブラックの希少価値それも欧州はドイツ牝系との配合となると評価凄まじいものがあります。
 当歳馬はちびっ子で人を乗せる事もしていないため、映像で能力を推定するのは全く無理なのが正直な所です。

 この馬そのものの評価からは離れますが、私的には競走馬の血統において種牡馬は価格差ほどのパフォーマンス差はなく、希少価値といったプレミアム性が乗る事で価格が形成されているのではと考えています。種牡馬入りできるか否かの基準にもこの要素が影響あり。

 これは「あの馬の仔で勝ちたい」というこだわりの要素を完全に捨てて種牡馬を選ぶと、兄弟馬で安い方ばかりを使っても思いのほか差がない、事によっては安い側のほうがパフォーマンス上回る事すらあるという見方です。種牡馬の競走成績と繁殖成績は一般に考えられているよりずっと連動性が低いのではないかという着想に基づきます。そして、もし仮に生産者がこのような事を考えていたとしても、現実の取引シーンで実行するのは全く不可能です。
 血統差が出るのは種牡馬より繁殖牝馬。(ただし「そのハイパフォーマンス繁殖牝馬はどこから来るのか?」と考えるとやはり良い種牡馬が必要)

 ディープインパクトの孫より高額なブラックタイドの孫たちを見ていると、このように色々感ずる事があります。

セレクトセール2023 1日目 1歳馬セッション リアルタイム感想

 時系列の都合上、上に追記します。気になるものをピックアップ。

セレクトセール2023 1歳馬セッション私的概観

  • ここ数年の高額傾向が続いており、7000万円くらいの感覚で1億2000万円に達している印象。
  • これが早くもラストクロップとなるドゥラメンテの産駒は何が何でも欲しいといった様子の高額落札が多々見受けられた。
  • キタサンブラックも生産数がまだ少ない上に見込まれる強さが相まって高額落札多数。
  • ロードカナロア産駒はマイルまで・ダート見込みの割り切り込みという印象を受ける落札が見受けられた。クラシック路線のような青天井感は希薄。かえって割安感すらも。
  • 外国産馬ではシュネルマイスターのイメージ鮮烈なキングマン、カフェファラオのイメージ描けるアメリカンファラオの人気が相変わらず高く高額落札が目立った。サクソンウォリアーは思いのほかガリレオ色が強いのか日本で苦戦しており、落札も安価。ウートンバセットはあまりに特例ながらBCフィリー&メアターフ勝ち馬の全きょうだい1頭と特例の部類に入るもののため基準は不明。

No231 イスパニダの2022 レイデオロxピュアプライズ

 セレクトセールの最終上場も1番同様に注目馬。
 母はアルゼンチン1000ギニー馬。今のところは正直に言って新馬戦で全く振るわないレイデオロですが、この配合ではどうか。シルクで大人気も実レースシーンでは期待程は振るわないコリエンテスの下です。
 セレクトセールとしては標準レベルの7200万円。

執筆者所用退席(リアルタイムチェックなし)No160~No230

No159 サマーハの2022牝馬 ロードカナロアxシングスピール

 サマーハはシャケトラを出している事で人気がありますが、きょうだいの故障率の高さが個人的には大きな不安。落札はDMMで6400万円。このクラブはサマーハが好き。昨年の目玉もサマーハの2021ピダーヤ(父リアルスティール)でした。

No158 ブルックデイルの2022 ブリックスアンドモルタルxキングカメハメハ

 マンハッタンカフェを出しているサトルチェンジの牝系です。2億1000万円‥‥というのは分かるのですが、全きょうだい牝馬マテンロウディアナ(2021年産)が僅か3000万円。この間にある差は謎です。

No136 セルキスの2022 サートゥルナーリアxモンズン

 ヴェロックスの下がサートゥルナーリアの産駒。一つ上の世代がキズナで当歳で4億5000万円だったのに、この配合でも僅か5200万円。ラクレソニエールの産駒に続いて健康リスク等問題はないのか不安になる安さです。クラブはライオンでの募集可能性あり。この落札者は独特な狙いがある?

No131 ラクレソニエールの2022 ブリックスアンドモルタルxルアーヴル

 母はフランスGIを3勝、社台レースホースでトップランクの価格帯おおむね1億円クラスとなる馬ですが本馬は僅か5200万円。意外。気になります。クラブはライオンでの募集可能性あり。

No120 フェアリーダンスの2022牝馬 ロードカナロアxアグネスタキオン

 オークショニアの長浜さん登場。「もっと競ってくださいと馬が鳴いております」うえフェアリーポルカ中山牝馬S(G3)福島牝馬S(G3)を勝っており4500万円は丁度いいラインの印象。

執筆者休憩(リアルタイムチェックなし) No107~119

No105 クイーンビーIIの2022 ドゥラメンテxルアーヴル

 母はフランスはカルヴァドス賞(G3)勝ち馬。欧州型ドゥラメンテを買え!といった印象です。ルアーヴルはこのところ気になる母父で、実レースシーンでのイメージはモチヴェーターあたりに近い。サトノ冠名の落札です。1億3500万円。

No104 アレイヴィングビューティの2022 ロードカナロアxマスタークラフツマン

 母はアメリカ芝ファーストレイディS(G1)、ジャストアゲイムS(G1)、ボウゲイS(G3)優勝。前世代のクセノポン(父ハーツクライ)から続けて金子真人HDが落札。いずれも1億円超えで相馬眼的に何か特別惹かれるものがあるのでしょうか。気になる牝系です。

No102 グリーンバナナズの2022 ウートンバセットxグリーンチューン

 産駒のアウダーリャがジャンロマネ賞とBCフィリー&メアターフふたつのGIを制したため社台ファームチュニジアから手に入れたという非常に珍しい経歴を持つ馬です。金子真人HDが2億7000万円で落札。あまりにも日本に馴染みのない配合ながら相性問題はなさそうで楽しみは大。今年最も飛び道具的な配合です。

No101 スペシャルグルーヴの2022 ロードカナロアxスペシャルウィーク

 チャンピオンズカップ優勝ジュンライトボルトの下で同じくキングカメハメハ系!2億円です。藤田晋ホースに。

執筆者休憩(リアルタイムチェックなし) 93~100

No92 アイムオールレディセクシーの2022 キタサンブラックxレディーズイメージ

 母はアメリカ芝重賞パッカーアップS(G3)、モデスティH(G3)、イートンタウンS(G3)の勝ち馬。キタサンブラックとの配合相手はディープインパクトアメリカダートと異なり芝馬がベストと目されているため、開始価格と終了価格が段違いです!3000万円から2億9000万円にまで競り上がってアスク冠名の落札で決着。
 イクイノックスも母父父がダンシングブレーヴ、母母父トニービンが効いていると考えられています。
 私もこの馬への期待は大きい。
 福永祐一厩舎への預託が予定されているようです。

執筆者休憩(リアルタイムチェックなし) No82~91

No81 ダイヤモンドディーバの2022 キタサンブラックxダンシリ

 母がキャッシュコールマイル招待S(G2)、ウィルシャーH(G3)勝ち馬で、上のハーツクライ版シャドウディーヴァ アイルランド府中牝馬(G2)。欧州型キタサンブラックかつ実績も十分の本馬が落札価格1億7000円でとどまったのは意外なことでした。

No75 ソルヴェイグの2022 ブリックスアンドモルタルxダイワメジャー

 母がフィリーズレビュー(G2)、函館スプリントS(G3)優勝といえ、レポジトリに関節炎がある馬でこの価格は大丈夫かな?2億2000万円で藤田晋が落札。

No65 リッスンの2022 ドゥラメンテxサドラーズウェルズ

 母はフィリーズマイル(G1)勝ちのアイルランド産馬。ロードカナロアのニックスの一つはサドラーズウェルズ系、具体的にはサートゥルナーリア配合と考えられています。落札は6400万円で割安感あり。

No58 リリサイドの2022 ドゥラメンテxアメリカンポス

 本馬はリスグラシューの下になります。演出映像はコックスプレート2019優勝時のもの。母はフランス産馬で、ドゥラメンテと相性絶好とされる欧州牝馬との配合で期待は大。
 1億6000万円で金子真人HDが落札。

No57 ストリートバンドの2022牝馬 キズナxイスタン

 キズナ産駒が芝で活躍といえば牝馬さらに母ストリートバンドはアメリカのダートGI勝ち馬。そのためか本馬も非常に高額。
 1億2500万円で藤田晋が落札。

No51 カンビーナの2022 ミッキーアイルxホークウイング

 活躍馬多数輩出のカンビーナの配合相手にミッキーアイルが選ばれている。マンデラの最終世代に選ばれたのもミッキーアイル。実はとても良いのかな?
 7800万円で金子真人HD。

No41 アルテリテの2022 キタサンブラックxリテラト

 母はフランス産アメリカ芝GIガーデンシティSの勝ち馬。キタサンブラックは芝馬、それも欧州血統と配合するのがベストと現在考えられているものの生産数は僅少。そのため本馬も注目馬。
 9680万円で藤田晋が落札。

No37 ロスヴァイセの2022 サトノダイヤモンドxシンボリクリスエス

 ちょっと悲しい確定演出。ロスヴァイセの2022牝馬登場時、兄スキルヴィング青葉賞優勝シーン。
 落札者はDMMドリームクラブの可能性濃厚。5800万円。

No36 パンデリングの2022牝馬 モーリスxキングカメハメハ

 これはレイクヴィラファームのtwitterで見ていた個体なので気になります。近親アーモンドアイ。牝馬で8800万円はNo24 メチャコルタの2022 8000万円よりちょっと上ですね。
 この配合だとアーモンドアイの2024(モーリスxロードカナロア)が想像できる印象。

No28 ガールオンファイアの2022 ルーラーシップxアグネスタキオン

 高いといわわれば高いし、安いと言われたら安い。そんな絶妙な感じのガールオンファイア5200万円。
 母の上ラドラーダがレイデオロを出している、すなわちレイデオロのいとこにあたるルーラーシップ産駒。
 ダービーやジャパンカップでの能力証明は高速タイムでこそと自分は考えており、レイデオロはそこから外れるためあまり高く評価していないが、本馬はどうか。

No24 メチャコルタの2022牝馬 キズナxエルコレドール

 母はアルゼンチン1000ギニー勝ち馬。昨年POGで人気だったサトノダイヤモンド産駒ダイヤモンドハンズキズナに変わった版の牝馬です。これは桜花賞路線が楽しみになる配合です。
 8000万円。

No23 ディオニージアの2022牝馬 リアルインパクトxテジャノラン

 母はイタリアオークス馬。リアルインパクトの産駒は正直なところ際立った印象を受ける事が少ないが、2300万円でこの配合なら割安感も。レースのみならず将来の配合でも楽しめそう。
 ただし旋回癖ありで健康面のリスクもあり。

No20 パレスルーマーの2022 シルバーステートxロイヤルアンセム

 ディープインパクト用と思われるアメリカダート重賞繁殖牝馬がついにシルバーステートに配分されました。ディープインパクト版は天皇賞・春優勝のジャスティンパレス
 今までの競走成績で、シルバーステートはディープ系というよりロベルト系の主張が強い印象を受けるが、本馬はどうか。牝系は強いため一定度の能力は保証されている。
 3億1000万円。
 落札者のTNレーシングは自分の好みの配合多いため気になる陣営。(単に高額でも厭わないといった陣営でもあります)

執筆者休憩(リアルタイムチェックなし) No4~19

No3 コンドコマンドの2022 ドゥラメンテxティズワンダフル

 母が北米GIウィナーのこの一族は常に高額。コマンドラインPOG指名した際のG3サウジアラビアRCでの楽勝ぶりと、以降の精彩の欠き方でちょっと不安になる配合。
 アルジャンナもパフォーマンスの持続期間はそう長いものではなかった。
 「大舞台ほど楽しそうに走るドゥラメンテの産駒!」
 「皆さんお探しのドゥラメンテ!」
 「リバティアイランド、シャンパンカラー、ドゥラエレーデ。人気があってもなくてもGIを勝つドゥラメンテの産駒でございます」
 今回も1歳時の仕上がり抜群のものがあり1億2000万円。

No2 ポロンナルワの2022 アドマイヤマーズxラーイ

 オークス馬シンハリーズの孫世代。グローリアスソング5x3x4、シングスピール4x3と練りに練った血統が特徴。シンハリーズ系は故障多いがインブリード強くなったこれはどうか。
 1億4500万円。本馬に限らず、アドマイヤマーズへの期待度の高さ・価格の高さには驚かされます。

No1 ヤングスターの2022 キズナxハイシャパラル

 例年1番は注目馬。POGでこれらを指名し一定度の成果を期待するというメタ作戦も可能だ。
 母はオーストラリアGI勝ち馬。リバティアイランドで印象鮮烈となった路線の血統です。オーストラリア競馬は早熟性を突き詰めており、2歳スプリント戦路線が日本でいうところのダービーとも聞きますので、本馬も早い段階からの活躍が期待されるのではないでしょうか。
 「父と母父で日・英・愛3つのダービータイトル」
 「枝葉からGIウィナーが続々。令和版華麗なる一族ヤングスター」
 2億1000万円。

基本的な見どころ

期待に応えよたとえ小学生であろうとも馬主から振る舞われた食事は吐きながらでも平らげて 川田将雅「頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法」

 常勝のイメージ既に盤石だったもののなかなか取れなかった全国リーディングジョッキー獲得さらには騎手大賞受賞に合わせて出版された書籍です。様々なコラムや対談記事を欠かさず読んでいるような川田将雅ファンでも知らなかった少年時代の超ハードな教育が特に印象的。これでも「書ける範囲のもの」だというのだから一体どれほどまでに厳しかったのか‥‥

 その教育から生まれた「騎手は依頼を受けなければ始まらない、常識的な限界を遥かに超えるレベルであろうとも期待に応えなければ」という責任感が印象的。この「常識的な限界」が本当に桁外れで、常人ではたちまち精神・肉体を壊しそうな領域です。しかし頂点に立つならばこれほどまでの覚悟と実行力がなければ不可能である事も実感を持って理解できます。

 「緊張するのは、背伸びをしているから」この言葉は一般の会社員や学生といった立場でも得るものは多いように思います。

 ほか、細かいところでは返し馬の動かし方で分かるレースで狙っている展開は馬券ファンとしても気になる所でした。

 比較的サクサク読める分量ながら密度はぎっしりで、熱心な川田将雅ファンでなくとも推薦できます。